Best Music
2024年は結構いろんな音楽を聴いたなぁ……
だいぶMEGAREXレーベルに偏っていたけれど、特に今年印象的だった楽曲の話をしようと思う。
これは、「今年出会った」であり、「今年リリースされた」ではない。
実は昨年末に結構まとめて買ったので、今年めっちゃ聴いた曲の中に去年の末あたりから聴いていた曲もあるんだけど、今回それらは含まない。
今年出会った素晴らしい楽曲たち
Load Child (feat. 紫月) / Mysteka
個人的にものすごく衝撃を受けた1曲。
MEGAREXの2020年リリースのアルバム「ネオンストライド002」に収録されており、その歌詞の一部である
巡る時の中思い出と約束だけ迷子
というフレーズがジャケットのフレーズにもなっている。 歌詞も相当秀逸。
ヴォーカル曲ではあるけれど、一般的な見方をすれば「間奏の比重の高い楽曲」ということになると思う。 ヴォーカルパートは2フレーズで構成されていて、そのあとインストのフレーズが入る。つまり実際の曲構成は3フレーズ+エンディングなんだけど、3フレーズのうちのひとつがインストという、なんともMEGAREXっぽい曲。
もうこれは、「聴いて」としかいいようがない。 一度聴いたら忘れられない強烈な楽曲で、ぼんやり聴いていると異世界に迷い込んだようなものすごい違和感に襲われる。
今年一番強烈だった楽曲は間違いなくこれ。 3:36というやや短い曲だけど、その時間の中に完璧に凝縮されている。 非常にパワーのあるホロウなヴォーカルフレーズのあとにインストパートを置いて、それがちゃんとサビとして機能しているのもすごい。
もう、とにかくすごい。
Magic mirror -progressive changes- / project lights
炎上によって非公開となったゲーム「Mirror2」のOSTの中の1曲。 中国語、英語、日本語のバリエーションがある。
基本的にMirror2のOST収録曲のノリは声優ソングの類なんだけど、この曲に関しては相当しっかりメタルしてる。 ミックスはかなり控えめでヴォーカルを前に出すものになっているけど、メタルのお手本にしてもいいくらい良い仕上がり。
先日記事にもしたけど、Mirror2のOSTのほうはまだ買える。 この曲のためだけに買う価値のある、かなりパンチのある作品。
真夜中プライスレス / BRADIO
BRADIOの2024年リリースのアルバム「PARTY BOOSTER」内の1曲。
BRADIOにはちょいちょいある、英語っぽく聴こえる日本語の歌だけど、その中でもめっちゃいいデキ。歌詞を見たときには「ああーーーーーなるほど」ってなった。
アルバムで見てもミッドな曲で、そんなに曲にパワーがあわけじゃないんだけど、非常に心地よくて、とても体の動かしてくる。
YouTubeでPVが公開されているのでぜひ一度聴いてほしい。
Jelly Fish / ぺのれり feat. ぷにぷに電機
KLAMPOP NEXTのM3春2017出品の”ポストシブヤ系コンピレーションアルバム”である「Pastelphonic pt.2」収録の1曲。
この曲は間違いなく2024年一番聴いた曲。
私がぷにぷに電機さんにハマるきっかけになった曲でもあるけど、ぷにぷに電機さんが歌ってる曲探してもここまでヴォーカルがハマってる曲もないし、曲自体が何の隙もないほど完璧に仕上がっていて、まじで完璧な曲。
私はM3は「音楽の進化場」だと思っているのだけど、音楽家たちが求めたハーモニー、トリック、フック、旋律、サウンド、あらゆる思い描く「特別な1曲」の境地のひとつのゴールというか、音楽家たちが追い求めた「理想の音楽像」を現実に降臨させたような楽曲で、現代の音声的な楽曲というわけでもなく、ちゃんと音楽的難易度の高い曲をスイートなヴォーカルできれいにまとめていて、「こんなに難しいのに聴きやすい」でもあるし、マジでこのジャンルの結論と言って良いすごい曲。
虚空グラデーション(Original Mix) / fmy. × TrioStaR × Lilyca* × b
GroundbreakinG -VOF2011 COMPILATION ALBUM-に収録されている、BMS系の曲。
7:15という非常に長い曲なんだけど、曲構成的には2:53から大きく変化するので、ここを境とした2曲がつながっているような感じ。ただ、それ以前のパートで見せていた要素は後半部分でも登場するので、2:52の前奏がある曲という解釈もできる。
ジャンルとしては大分すればトランスでいいと思う。 楽曲の構成要素が入れ替わりながら展開していくので、非常にDJ的な曲。
「私が求めたトランス」って感じがする。こういうのが聴きたかったんだよ!
13年も前の曲だけど、古さは感じないと思う。
Pixel Princess (long ver.) / Lime
GroundbreakinG BOFXVII COMPILATION ALBUM収録のBMS系の曲。
閉店後のゲーセン感……なのかな。
チップチューン要素のあるハードコア系の曲で、ものすごい勢いで5:29という長めの時間を駆け抜ける。 展開が目まぐるしくて長さを全く感じさせないどころか、むしろあっという間。 要素もいっぱいすぎて一時も耳が離せない。
こういう戻って来ない展開をしつづけるタイプの曲は個人的に子供の頃に作りたかったものでもあるし、テーマを擦りながら絶対に飽きさせない音楽、ほんといいよね。
一気に駆け抜けるから、エンディングがほんとに寂しくなる。
-90dBm / りょーか
強烈なインパクトを与える展開をいつも見せてくれるりょーかさんだけど、今年もすごい曲をいっぱい出していた。
6kcalや3000ppmも挙げたいところだけど、個人的に一番強烈だったのは-90dBm。
若干ダークなテイストの曲で、サウンドは重め。 りょーかさんの曲の中では落ち着いた展開をするほうだと思うけど、それでも1:20で一気に変わる。そこまで溜めて煽った期待に応える1:39からのフレーズに釘付けになる。 そしてりょーかさん慣れしてないと戸惑うような唐突なエンディング。
インパクトは本当に絶大だったと思う。
YouTubeで公開されているのでぜひ。
Focus feat. カミるれ / Mysteka
2024年にMEGAREXからリリースされた、配信でのフリー利用が可能なアルバム「Stream Friendly MELOS 001」収録の曲。
配信BGMで利用できるアルバムっていうのもなかなか衝撃的なんだけど、楽曲が全く配信フレンドリーじゃない高密度、ハード、ヘヴィー、高完成度の楽曲になっているのがまたすごい。 これがBGMに収まるかよぉ!
Focusはそんなアルバムのトップを務める曲だけど、素晴らしくキャッチーで、相当吸引力のあるサウンド。 マジでこれを配信で使える気がしない。
あと、フィジカル仕様(CDは入ってないけどCDケース)を買うとステムデータが付属するんだけど、パート抜き出して使える感じではないので使い道もよくわからない。
可能性はすごい気がするのに曲のほうがすごすぎてどうしていいかわからない!
Invisible Scars (feat. mami) / rejection, mami
最後は最初と同じく「ネオンストライド002」収録の曲。
ものすごいハーモニーでこれまたものすごく印象に残るし、引き込みが本当に強くて曲の世界に飲み込まれる。
この曲もインストパートが間奏ではなく、完全にヴォーカルパートを引き継ぐ1パートになっている。全体でサウンドに一体感がすごくて、楽曲に没入させたら絶対逃さない。
durationは3:53だけど、こちらは要素特濃でそんなに短い曲だとは感じない。