新生活(引っ越し)で失敗したもの、成功したもの

2023-03-04

はじめに

新年になって受験、就活など新生活に向かって全力という人も多いだろう。

ここでは、私が長年住んだ家を出て今の家に引っ越したときに、結果的にうまくいったこと、失敗したことを挙げていこうと思う。参考になれば幸いだ。

失敗したこと

エアコン

おそらく最も大きな失敗だ。

最初リビングだけはエアコンがあったのだが、2年目の夏に向けて寝室に、3年目の夏に向けて作業部屋にエアコンを導入した。 寝室のエアコンは閉店セールでかなり安く買えた三菱電機の「霧ヶ峰」の高級モデル、作業部屋はダイキンの安いモデルである。

元の値段でいうと(同じ部屋サイズにも関わらず)3倍くらい違うのだが、結果的には三菱電機製は大きな失敗だった。 スペックは高くて高機能なのだが、かなり致命的な問題が多いのだ。

まず送風機能がない。 エアコン内部のカビ繁殖を防ぐために送風で乾かしたいのだが、それができない。

そして非常にうるさい。 運転音もうるさいのだが、ムーブアイというカメラによる自動認識機能がある。 だが、このカメラは例えば寝ていると、自分のほうではなく、ポスターのほうに向かってずっと吹きかけるというシロモノ。 使い物にならないのだが、このムーブアイの動作音が非常にうるさく、夜中に目がさめてしまう。

風向きを固定していても勝手に動いてしまい、意図した動作にならないのも難点だ。

また、効きがおかしい。

除湿は30℃/65%みたいな日に、16℃/30%とかまで下げる。ターゲットを指定することもできず、適切に動作させられない。 というか、除湿機能は単純に無制限に冷やすだけである。

一方、冷房の効きは弱い。涼しい日でないと目標の温度まで到達できない。 また、目標の温度になってもその温度を維持するのが非常に苦手で、送風や運転停止をして温度をコントロールすることをしない。 ハイブリッド運転にすれば一応してくれるのだが、今度は温度が全く下がらなくなるため実用的ではない。

暖房は効きすぎる。 室温16℃で設定19℃で暖房を入れると、25℃とかになる。 まるでコントロールが効かない。

そしてカビる。 最初の夏の間にカビてしまった。とても困っている。

さらに、高機能に伴ってリモコンの操作が面倒。 例えば風向きを変えるだけでも、「設定ボタン→設定ボタン連打→決定→設定ボタン連打→決定」という操作で、これが風量、横向き、縦向きなどひとつひとつの項目に対して必要。割と反応が悪く、液晶もちょっと不明瞭なのですごいストレス。

対してダイキン製の安いやつは、「ちょっと寒い」「ちょっと暑い」といったことでもすぐに快適な状態に合わせてくれるし、冷房・除湿・暖房・自動運転どれもしっかり使える。送風運転も可能で、やや気温が高い日はコンピュータ周りの熱が籠もって熱いが、こうした日には送風はとても有効。 フィルター掃除機能はないが、自動で送風運転して乾かしてくれるのでカビない。

機能は非常にシンプルだが、しっかり機能するので、こっちのほうがずっといい。

掃除機

前の家では床スペースが非常に少ないこともあり、ツインバード工業製の安いコード式スティッククリーナーを使っていた。 今の家になったときに、Amazonで中国製の安いキャニスタータイプのものに替えた。

コード式キャニスターは基本的にパワフルなので、パワーさえあれば大丈夫だろうと考えたのだが、これが大失敗だった。 「全く何も吸わない」のである。私がAmazonで買ったものの中で、最初から壊れている、あるいは動作する構造になっていないパターンを除いて最も腹立たしい品物であった。

掃除機はちゃんとしたのを買ったほうがいい。

ちなみに、その後ツインバード工業製のちょっといいコード式スティッククリーナーを購入した。 安くてもコード式なので吸引力自体はかなりあるのだが、お手入れしづらい、実用上の吸引力がいまいち(あんまりサイクロンしないせいもあるし、ヘッドが動かないタイプなのも大きい)と少し不満がある。

ただ、これは単純に失敗というよりトレードオフの面が大きい。 掃除機を掃除における主役と考えれば許容できないが、予め大きなゴミを減らしておくことを目的とするなら、取り回しがよく吸引力が高めの掃除機で安いという点でなかなかメリットがある。 コードレス式のほうがもっと手軽だが、コードレス式になると高価だし、パワーはもっと落ちる。

なお、バッテリーがない割に軽くはない。 安物で重めのコードレススティッククリーナーよりは軽いが、軽量モデルほどは軽くない。

カーペットは粘着シート(コロコロ)で、フローリングはドライシートとウェットシートで掃除することを本命とするなら、まぁまぁアリ。

つまり、どう掃除するかというのが先にあるべきで、その上でツインバードみたいな安めのクリーナーを選択するのはアリだが、Amazonで適当な掃除機を買うのはやめといたほうが良い。

カーテン

カーテンについて、引っ越し当時「忘れていた」のが痛く、結構な期間カーテンがなかった。 窓が特殊なサイズだったのだが、「だいたいいいだろう」でその場しのぎになればとカーテンを一枚買ったのだが、これは明らかな間違いであった。

カーテンは少しでも余っていても、足りなくても、全くダメである。 絶対にちょうどいいサイズでなければならない。

最適なサイズが市販されていないのであればオーダーカーテン以外はない。 ニトリのセミオーダーカーテンは悪くなかった。

ニトリ

カーテンやカーペットは悪くなかったが、ニトリで家具を買うのはやめておいたほうが良いだろう。

引っ越したとき、ニトリのデスクを買った。 ニトリのデスクの中ではかなり高級なモデルだ。

だが、これは1ヶ月もしないうちに棚が壊れ、修理したが修理した直後からまともに動かなかった。 最終的には接合部が割れてしまい、ゴミになった。

また、ニトリのデュオレハイという、当時ニトリのオフィスチェアの中ではもっともいいモデルを使っていたのだが、これも3ヶ月ほどで背面部分が割れてしまった。 交換という形でもっと安いチェアにしたのだが、こちらは背面を支えるパイプが体重を支えられず折れてしまった。

ニトリの家具はクオリティが低く耐久性が低すぎる。 IKEAよりはだいぶマシだが、避けたほうが良い。

なお、ニトリの自分で脚と組合せるタイプの非常にシンプルなデスクは、長期間ちゃんと使えている。

自作デスク

前の家では前の家の壁を利用して、壁と衣装ケースを使って板を支えるデスクというのを使っていた。 引っ越すと壁が使えず、衣装ケースにかかる負担が増えることから、脚を追加して釘で固定するという方式をとった。

しかし、これはうまくいかなった。 かなりグラグラするのだ。 このデスクの上には重量物を乗せる(約40kg)こともあり、地震があると危険だと判断された。

結果的に脚は除去され、ルミナスラックの上に板を乗せる形にした。 これで非常に安定したのだが、自作机はかなり危険なので、自信がある人以外はやめておいたほうが良い。

成功したこと

間取り計算

引っ越す時に間取りはかなり入念に計算したのだが、Inkscapeを使って正確な1/100縮尺図を作り、家具のサイズも正確に測って配置を決定した。

この時重要だったのは、「この時点で導入しない」ものを含めた「導入ステージ」を計算したことである。 例えば、防音室は「検討中のアイテム」に過ぎなかったが、「導入する必要があるかもしれない」という想定で、実際に防音室の寸法を確認してもらった上で入れられるかを確認した。

また、当時は布団を使っていたが、ベッドを導入したかったので、ベッドのサイズが収まるかどうかも予め計算した。

どちらも最初の配置状態では入らないのだが、配置状態を変更することで入るというわけで、模様替えのプランも含めた図になっているわけである。

結果的にベッドも防音室も導入されたし、当時はなかった機材も色々入ったが、この間取り計算のおかげで困ることはなかった。

ルミナスラック

ルミナスラックはドウシシャが扱っているスチールラックである。 ドウシシャは輸入会社でもあるのだが、ルミナスラックは自社製品だ。

スチールラックとしては高級なほうだが、圧倒的な耐荷重を持っている。 業務用の書庫などもあるのがその強さの証だろうか。

ルミナスラックを採用したのは細かいラインナップの充実もさることながら、耐荷重性能の高さが重量物を乗せるのにちょうど良いからである。 最初はコンピュータのラックとして採用したが、素晴らしい安定感であり、とても活躍している。

その後、前述の自作デスクの脚として導入した。 これもPCラックを兼ねている。 最初に採用したラックは固定脚なのだが、デスク脚の方はキャスターになっている。 キャスターでも非常に丈夫で、PCなどを含めると70kgにもなる幅180cmのデスクを、キャスターで動かすことができる。

動かす機会は稀だが、動かせる関係でエアコンの真下・窓のすぐ前の位置に配置できる。 これが動かせないとエアコンや窓にアクセスできないため、もっとスペースを空ける必要があり、有効スペースが減る。

さらに、デスクワゴンとしても導入した。こちらはライトで、耐荷重は低いモデルだが、「机の天板と高さを合わせる」ということが可能で、これを使うとペン立てやデスクライトなど、デスク上に配置したいものをデスクを延長したスペースに配置でき、なおかつ必要に応じて動かすこともできるという利便性が高い形になる。

見た目は無骨だが実用性は極めて高い。 ルミナスラックがなかったら困ってた場面もあるため、大活躍している。 現在導入しているルミナスラックの数は、7だ。

平台車

平台車は、取っ手がないタイプの台車である。 取り回しがよく利便性が高いのが魅力だ。

もちろん、引っ越しのときは大活躍するのだが、ここで言う平台車の話は室内で使う話であり、トラスコのルートバンの話だ。

私は2つの用途、CPUラックと衣装タワーの脚として使っている。

CPUラックはコンピュータを搭載するためのものだ。 キャスターつきで動かせるようにすることと、PCが倒れてしまわないようにすることの2つが目的。 大きなタワー型のPCだと、あまり倒れる心配はないため、動かすほうがメインになる。

ところが、一般的なCPUラックの耐荷重は高いものでも15kgで、自作PCだと当たり前に20kgを超えるため、適合するものが少なく、大型のPCに対応するCPUラックはめちゃくちゃ高価だ。

そこでルートバンである。

重量物を運搬するための平台車だから耐荷重は十分、キャスターの転がりも良い。 また、小さいほうはタワー型PCに割と良いサイズで、タイダウンベルトを使って固定することもできる。

見た目が悪い以外は完璧だ。

もうひとつは衣装タワーの脚だ。 収納の多い家を選んだのだが、収納しきれず、身長ほどの高さの衣装ケースのタワーが生まれてしまった。 別にどこに置いても良いのだが、収納が多い分壁が少なく、邪魔にならない場所がない。

そこで、このタワーをルートバンの上に載せて、あまり開かない収納の前に配置した。 衣替えの季節になるとこの収納を開く必要があるのだが、そのときはキャスターのロックを解除してどけてしまえば扉を開くことができる。この方法でかなり空間を有効活用できるようになった。

洗濯機

乾燥機付きドラム式洗濯機を引っ越しに伴って導入した。

希望は「アイロンをかけたくない」だったんだけど、正直なところアイロンをかけなくて済むレベルには結構遠い。ただ、乾燥してくれるだけでも、洗濯機回してほっとけばいいので明らかにQOLは爆上がりした。 もっといいやつ導入すればアイロンの手間も減るかもしれないけど、そもそもいいやつは置けるスペースがないので選択できなかった。

ちなみに、洗浄力は縦型のほうがよくて、水を大量に使うという問題はあれど安定する。 スペースがあるなら、縦型洗濯機と衣類乾燥機のほうが快適なのかもしれないけど、移し替えという手間が発生するからどうなんだろうね。

浴室乾燥機

ほとんどの場合洗濯物は洗濯機の乾燥機能で済ませるけど、いっぱい洗濯物があるときは浴室乾燥機が便利。 あったほうがいい設備だと思う。

アースつきコンセント

割と珍しいかな、と思うのが、ほぼ全部のコンセントにアースがついてること。

電子機器の電源プラグはだいたいグランドつきのものになってると思うけど、これを挿せるかどうかは結構大きい。

「電子機器で電気的な不調を一度も経験したことがない」って人はいるけど、ハードに使う人はそれなりに(2〜3年に1度くらいは)経験するもので、やっぱりアースは必要。壊れないにしても、起動しなかったりすると面倒だし、やっぱり機器への負担は大きい。

家を選ぶときに1要素として考えてもいいくらいのものではあるんじゃないかな。

いいベッドといいチェア

新生活に伴って、というより結構後になってからなんだけども、当初布団は前の家から持ってきたもので、その後5万円ほどするマットを使ってた。

一方、椅子は最初はニトリのデュオレハイで、そのあとニトリの安い椅子で、そのあとはバロン(オカムラ)の中古だった。

3〜4年目あたりにGELTEXのベッド(40〜50万円くらい)とWINcaseのチェア(今だとType-Rと呼ばれているもの、10万円ちょっとくらい)を買ったんだけど、これは大きく生活を変えた。

体に常にあった痛みや重い不快感から解放されたことで、「人間らしい生活」ができるようになった。 パフォーマンスにものすごい差が出るから、寝具や椅子は本当に合ったいいものを選ぶべきだなと思った。

ダイソーのワイヤーネット

ワイヤーネットとワイヤーネット用のスタンド、ワイヤーネット用フック、洗濯バサミを組み合わせたものをキッチンに設置した。

思いつきでやったわりに、スポンジを洗濯バサミに留めておけるから衛生的で、かなり快適。 陶磁器用・フライパン用・金属用・流し用で4つのスポンジを使い分けてるんだけど、非常にうまく機能してる。

突っ張り棒とカフェカーテンとのれん

私の家はいわゆるカウンターキッチンなんだけど、リビングは楽器とかも置いてるので水気が飛ぶのが嫌で、突っ張り棒とカフェカーテンで仕切りをしたんだけど、エアコンの効きもよくなったし、かなり快適。

また、そもそも私はキッチン周りは汚しやすいので(あまり整頓されてない)、見えないようにしたくて、出入り口を突っ張り棒とのれんで隠したんだけど、これもかなり大きな影響があった。

K712 Pro

K712 ProはAKG製のヘッドフォン。 リファレンスモニターと呼ばれる、音楽制作で使うプロ向けのもので、お値段は3万円ちょっとくらいとそこまで高くはないけど、ちょっとするくらいの感じ。

つけ心地が快適で長時間つけてても苦にならないのと、音が結構いいのでそのまま音楽聴いたりゲームしたりしても問題ないのもポイント。

リモートワークやリモート授業で長時間着用する人がある人には結構おすすめ。

なお、マイクも別途用意したい場合、よっぽど特別な理由がなければUSBマイクをおすすめするよ。 「このマイクがいい!」っていうのにはまだ出会ってないけど、AKGのARAとか、SaramonicのSR-MV2000とか便利そうだなって思う。

低価格なのがよければ、私がVineでレビューしたマイクが、音はそこそこ良くて、ミュートできて、リミッターもついてて大変優秀だったのでおすすめ。

一口コンロ

私はそこまで料理しないけど多少はするくらい。 ただ、しばらくの間は「別にガステーブルなくてもいいかぁ」と思ってた。

けど、お湯も沸かせないし、実際のところかなり不便。 でもガステーブルを買うほどのモチベーションもないし、そもそも2口あっても片っぽは不安定な火だったりするので割と1口しか使わない。

そこで見つけたのが一口コンロ。 小さな家の一人暮らしで使うことが多いものだけど、大きめの2口ガステーブルが入るところなら中央におけば使用可能。 (安全性から、段差との距離が十分にとれない場合はNG。)

採用したのはPaloma PA-E18F。

とても安価で、単純な構造で洗いやすく、火力も強いのでかなり便利。 「グリルがない」という欠点はあるけど、私はグリル洗うのが嫌でどのみち使わないので気にならない。

ガステーブル自体は絶対にあったほうがいい。

ダンボール製のゴミ箱

私はゴミ箱はキッチンに集約する派。 各部屋にも小さいのはあるけどね。

当初ゴミ袋だけでいいかなーと思っていたんだけど、やっぱり不便だし染み出して汚れたしまったりするので導入したのがAmazonで販売しているダンボール製のゴミ箱。

軽くて扱いやすいし、ゴミ箱ってどうしても汚れてしまうものだけど、汚れが気になったら資源ごみに出して買い換えることができる。 ゴミ箱は壊れることもまぁまぁあるものなので、その意味でも気楽。数を用意したり補充したりするのも簡単で、ゴミ袋のサイズに対して最小限のスペースになるのも良い。

最近はゴミの分別が細かくなって、ゴミ箱がたくさん必要になる傾向があるので、その意味でも合ってる。

冷蔵庫

私の場合冷蔵庫は新調したわけではなく、もともと大きいやつを使っていたんだけど、確実に言えるのは、「大きな冷凍庫は絶対必要」。

一人暮らしはあらゆる場面で冷食のお世話になる。 そもそも自炊しても食べ切れなくて冷凍するのが基本だしね。

あまり他の人の参考にならないやつ

一人暮らしで大怪我をすると非常に危機的状況になるため、止血用品は揃えておいたほうがいいと思う。 ただ、自分が大怪我したときに止血するのは、ある程度知識と経験と度胸が必要なので、用品だけあればいいとはいかない。 どちらかっていうと、「ある危機的な状況に陥ったときにどうするか」のシミュレーションをしておくことのほうが大事かも。