最近のお気に入り漫画 5選

2022-09-01

はじめに

最近読んで気に入った漫画を簡単に紹介。

今年に入ってから世界を広げるべく1新しいジャンルのコミックに手を出した。 それは、なろうなど、小説投稿サイト発のライトノベルのコミカライズ作品である。

DLSiteで色々と買ったが、単調で退屈だと感じるものも多い一方、中には非常に面白い作品もあり、見つけ出せればかなりの楽しみになると感じた。

今回紹介するのはそうした漫画と、いわゆるTwitter漫画発のものが中心。 なお、コミカライズ作品については、原作に触れていない前提である。

1. 乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です

現在8巻まで刊行。 乙女ゲーを題材にしているが、主人公は男性で、少しハーレム色がある典型的な男子向けライトノベルである。

典型的、というのは、なろう的というよりも、ライトノベルとして、また少年向け作品としてこってこてであるという意味で、今回紹介する中では圧倒的になろう感がない。

異世界でチートで無双するタイプだが、この手の作品としてはチート度が低めで、少年向け作品でよくある主人公程度の優位に留まっている。作品として恋愛要素は全体的に出てくるが、物語としては恋愛要素はやや少なめで、どちらかというと「陰謀渦巻く世界の謎」というのが一番の要素。 主人公が強いためバトル要素もやや薄味になっている。

少年向け作品として非常に王道だと思うが、とてもバランスよく仕上がっていて、純粋におもしろい。

2. 腹ペコ魔王と捕虜勇者!~魔王が俺の部屋に飯を食いに来るんだが

現在3巻まで刊行。 世界ファンタジーのラブコメもの。 優しく優れた為政者である魔王と、捕虜として独房に囚われた勇者の物語で、「魔王がとにかくかわいい」というのと、「お互い好意はあるけど、自覚もしてなくて全然進展しないもどかしさ」の2点がメイン。

勇者が独房に囚われている関係上、物語の展開範囲は極めて狭く、絵としてもキャラクターばかりが描かれる傾向ではある。

単なるラブコメだけではなく、魔王が優れた為政者であること、長く戦争を続けてきた関係であることといった物語のバックグラウンドが結構なスパイスになっていて、いわば舞台装置である。 学園ものなら学園という環境と、思春期の少年少女をとりまく出来事を活かしてラブコメを展開するところだけれど、本作ではそれに代えてこのファンタジー設定を活かしており、狭い舞台ながらしっかりと物語性を発揮している。

絵柄が非常にかわいらしいのも大きなポイント。

3. 現実もたまには嘘をつく

現在3巻まで刊行。 Twitter漫画として連載されている学園ラブコメ作品。 孤独な男子高校生と引きこもりのゲーマー少女の物語なのだが、本作の非常に大きな特徴として主人公は女装をする。

この作品は現在に至るまで観てこそ高く評価できる作品でもある。 主人公は1巻の時点では他者にそれほど優しい印象はなく、割と自分勝手な部分もある。 しかし、物語が進むほどに「優しくてよくできた」人物であるように変貌していく。

キャラクターがメインの作品ではあるが、進んでいないようでいて、ちゃんと物語として必要な話が描かれてきたことが最近明らかになった。 現在の最新巻よりあと、現在最新の連載ではついに交際まで辿り着いているが、物語としてはまだ続くようだ(でも半分よりは進んでいるらしい)。

4. ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん

現在5巻まで刊行。 女性向けなろう作品が原作。

女性向けの悪役令嬢をテーマにしたテンプレをおおよそなぞった世界観になっているが、作品は非常に特徴的である。

物語の舞台は「異世界ファンタジーをテーマにした乙女ゲーの世界」だが、主人公たちはこの世界に入らないため転生モノではない。 攻略対象の人物と婚約関係になる悪役ヒロインが、良い人物であるにも関わらず素直でないために破滅することになっているが、主人公たちがゲーム世界に介入できるようになったためにこれを回避しようとするという形で物語は始まる。

そして、物語中の「目的」はその通りなのだが、介入できるようになった経緯や、ゲーム世界(しかも主人公たちがプレイしているゲームである)がゲームの物語を離れて進行する理由を含めて非常に謎が多く、またもとよりそのゲームが非常に不穏な作品であったということもあり、「不思議な謎に迫る」というのが物語のメインとなっている。

1巻だけを見るとただ単に(ゲーム側の)ヒロインがかわいいというだけの話かに思えるのだが、実際の物語の進行としては恋愛モノというにはあまりにも不穏である。 このために作品のジャンル分けが難しく、異世界ファンタジーと言えなくはないが、物語の軸は介入にあり、恋愛もあるがそれがメインではない。不思議系のミステリーだと考えてもいいが、一般小説だとホラーレーベルから出るかもしれない。 「怖い」ということはないが、それほど明るく読める作品でもない。

物語としての引き込みが非常に強く、男性キャラの魅力よりもヒロインの魅力のほうに重点をおいて描かれているため、男性でも読みやすい。

5. スコップ無双 「スコップ波動砲!」 ( `・ω・´)♂〓〓〓〓★(゜Д ゜ ;;;).:∴ ドゴォォ

現在5巻まで刊行。 ライトノベル原作のコメディ。 ざっくり言えばチート主人公の異世界ファンタジー作品だが、ジャンルとしては非常識コメディの類である。

主人公は大真面目だが、真面目に考えるまでもなく明らかにおかしい。そして、美しいお姫様であるヒロインは、もっとあからさまにおかしい。周囲のキャラクターがツッコミを入れるのだが、そんなことはおかまいなしに主人公は無双していく。そして、だんだん周囲のキャラクターもそれに染まっていく。

この手のコメディは、そのテンションに乗れないと寒いとか、ドン引きするとか、不快に感じるということも多いのだが、本作は個人的には結構笑える。どういうノリかは特設サイトを見るのが一番早い。

パッと見熱いバトル展開に見える部分も、武器がスコップで戦闘力がスコップの力となると冷静になっても笑えてくる。 いや、物語全体として見ればバトルものなのだが、ただスコップであることだけが本作をコメディにしている。イカれてる(褒め言葉)。

選外作品について

「月曜日のたわわ」も個人的には楽しみになっている作品だ。 マガジン連載版は3巻までは軽いお色気要素がメインの作品だと言ってよかったが、4巻以降はラブコメとしての厚みが増し、物語としても面白くなってきた。

マガジンポケットで連載されている「幼馴染とはラブコメにならない」はもう少しお色気要素の強い、王道の少年ラブコメだが、こちらもまあまあ面白い。

「くちべた食堂」も注目している作品だが、物語性が低いため推薦はしづらい。 日常系に近い、まったりとした作品である。

読めていないが気になっている作品が「白金あずさは頭を打ってギャルになる」。 めちゃコミで出ているwebトゥーンであるため、非常に読みづらく、購入していない。 全2話の短編で、前編は無料で読むことができるが、なかなか面白そうだった。