ファブリーズでベトベトになった窓をきれいにする

2022-08-21

問題の概要

クルマの窓が妙に曇って見えないなぁと困っていた。 汚れかと思って洗車したのだが、解決しない。

結局、窓の内側がひどく汚れていることがわかった。 しかし、普通に窓を拭いても汚れが広がるばかりできれいにならない。 それに、あまりに汚れがひどすぎる。なぜこんなに汚れたのか。

どうやらファブリーズが付着しているのではないか。

化学の時間だ

窓をきれいにする方法を調べると、大抵はアルカリ性のもので洗え、と出てくる。

前提として、酸性の汚れはアルカリ性の洗剤で落としやすく、アルカリ性の汚れは酸性の洗剤(逆性石鹸)で落としやすい。 生物に属する大部分や、食べ物の大部分が酸性なので、基本的に洗剤は中性〜アルカリ性になる。 アルカリ性が酸性のものに対して攻撃性を発揮するということは、アルカリ性のものが肌にふれると簡単に荒れる、ということでもある。 なお、中性より弱酸性のほうが肌に優しい、という理屈はよくわからない。

で、窓を重槽とか新聞紙で洗え、というのは前提として窓に付着している汚れが酸性である、ということを仮定している。 言い換えると、皮脂汚れなど人体、あるいは生物に由来する汚れであると判断している。

しかし、ほとんどの洗剤汚れ(中性のものを含む)はアルカリ性の汚れであり、そのため浴室洗剤などは中性、あるいは酸性であり、アルカリ性のものは基本的にない。 なお、トイレの汚れも通常はアルカリ性(尿酸値がめちゃ高いのでない限り)なのでトイレ洗剤は酸性が普通。例外として、いわゆる塩素系漂白剤であるものはだいたい強アルカリ性である。混ぜるな危険。

ファブリーズの液性は記載がなく、調べた人もいないようなので不明で、主成分は塩化ジデシルジメチルアンモニウムであるという主張をもとにすると中性(わずかに酸性寄り)であるが、アルカリ性の液体に溶けづらい性質を見せたため、恐らくファブリーズはアルカリ性であるか、もしくは時間が経ったものについてはアルカリ性になるかであるかだと思われる。

pH試験紙は入手こそしづらいものの、安価なものなので、いずれ実験して追記しようと思う。

ファブリーズで汚れる問題

まず、ファブリーズとリセッシュはかなり異なるものである。 (バリエーションが色々あるのでそのまとめ方は危険かもしれないけど。)

リセッシュの成分が気休め寄りなのに対し、ファブリーズはもっと洗剤寄り。 除菌力はファブリーズのほうが高いと思われるけど、繊維に蓄積していくとちょっとまずいのではという気持ちにもなる。 リセッシュは除菌ではなく消臭のためのもの、という感じだけど、リセッシュには除菌EXというものもあるので、まぁ一概には言えないかもしれない。

なのであくまでファブリーズの話。

ファブリーズを使っていると広範囲に汚れるものである。 例えば、私はベッドにファブリーズを使っているけれど、ベッドフレームなどベッド周辺のものはすぐべとべとになる。 また、ベッドから軽く2mは離れているPC周辺に関しても、ファブリーズ由来と思われる汚れがそこそこ付着する。 ファブリーズに由来する汚れは、時間が立つと茶色っぽくてべとべとした感じになるためわかりやすい。

以前寝具に布団(床に直接敷くマットレス)を使っていたときは、より大きな問題として床がべとべとになるというのがあった。 垢のように、一度濡らしたあと乾布で擦っているとぽろぽろと茶色い汚れが取れる。 ベッドを敷くとき、掃除ではいくらがんばっても取り去ることができず、結局クレンザーとサンダーでバフがけしたのは苦い思い出だ。

窓をきれいにする

さて、いよいよ本題だ。

最も良いのは水で流して、布でこすることである。 洗面台の鏡が汚れた場合、そのようにして石鹸類を流してしまうのが手っ取り早い。 だが、クルマの窓の場合、水で流すわけにいかないのでこの方法は使えない。

同様に浴室洗剤を使う方法も、水で流せないから使えない。

そこで、まず濡らしたウエスを用意し、窓を湿らせるように拭いていく。 このとき汚れが広がる感じになるが、気にしなくて良い。 水は別にアルカリ電解水、重槽、セスキ炭酸ソーダなどなんでもいいのだけど、アルカリ性に液体に対して溶けづらかったので、普通に水で濡らすほうが良いと思われる。 アルコールに関しては溶剤として機能するため、恐らく水より良い。だから、試しはしなかったけれど、アルコールウェットティッシュで拭くのはアリだと思う。

そして、キッチンペーパーで拭く。 こすらないと落ちないが、こすりすぎると傷がつく。注意を払って行うこと。

キッチンペーパーで落ちる原理だが、マイクロファイバーと同じである。

汚れは、目では見えないけれど「大きさ」がある。窓に「付着」している状態であり、窓の傷に潜り込んでいるとかいうのでない限り、窓の「上に」ある。 この汚れの大きさよりも大きい凸凹を持つものでこするとすると、この汚れの「上を」滑ってしまう。 汚れがちゃんと引きはがせていれば吸着して取り去ったりもできるけれど、そうでないと汚れを「押し付ける」ことになってしまう。

しかし、より微細な凸凹があれば、汚れを「掻いて剥がす」ことができる。 マイクロファイバーは微細な毛を持ち、これによって汚れを取り去ることができる。

キッチンペーパーも油を吸いやすいように微細な毛をもった作りをしており、同じような効果を発揮できる。 マイクロファイバーほど優しくないのが難点だが。

なお、私が使ったキッチンペーパーは、AEONで売ってる折りたたんだパックになってるやつ、つまり安いやつだ。

ちなみに、指紋は汚れとしてはかなり高さがある。 このことは覚えておくと何かの役に立つかもしれない。

なんでマイクロファイバークロスでなくキッチンペーパーを使ったかというと、安いマイクロファイバークロスで窓を拭くと大量に毛が窓に付着して大惨事になるから、というのと、キッチンペーパーならより使い捨てやすいからだ。 傷がつくリスクはあるが。 あと、私はクルマにキッチンペーパーを1袋積んでるので、すぐに対応しやすかった。安いしあると便利キッチンペーパー。

予め濡らしたのは、あまりに量が多いと(ファブリーズだと、べっとべとになる)繊維で取り去るのは大変すぎるので、水で溶かして落とせる分はそれに頼りたいのと(ファブリーズは水に良く溶けるから割と効果がある)、キッチンペーパーでこするだけでなんとかしようとすると窓に傷がたくさんつくからだ。