主旨
- CPUとgovernorの組み合わせの違いに興味がわいた
- きっかけは、IdeaPad Slim
360がpowersaveとperformanceで全然違うため
- 最近気になっているのが「ウェブページもっさり問題」
- そこで、Antutu HTML5 Benchmarkを実施
- 普段使いしているスマホも交えて計測
- ブラウザはすべて最新のVivaldi Stable
- PCはウィンドウサイズFHD
- スマートフォンはバッテリー70%+程度で充電せずに実行
- ウェブブラウザでのベンチマークなので、シングルスレッド性能の話
- WebGLを使っているかどうかはわからないけど、基本的にCPU性能っぽい
- ただし、ブラウザ自体がレンダリングにGPUを使うので、GPUの影響も多少はあるはず
- CPUの性能を詳らかにしようぜという話ではなく、本当に「ウェブコンテンツのもっさり比較」のためにやった
テスト結果
DT |
Desktop |
Ryzen9 5950X |
performance |
78819 |
DT |
Desktop |
Ryzen9 5950X |
powersave |
51949 |
DT |
Desktop |
Ryzen5 5600X |
performance |
79777 |
DT |
Desktop |
Ryzen5 5600X |
powersave |
51554 |
LT |
IdeaPad Slim 360 (17) |
Ryzen7 5800U |
performance |
61794 |
LT |
IdeaPad Slim 360 (17) |
Ryzen7 5800U |
powersave |
34085 |
DT |
ThinkStation P720 |
Xeon Silver 4114 |
performance |
47199 |
DT |
ThinkStation P720 |
Xeon Silver 4114 |
powersave |
42587 |
LT |
ThinkPad X1 Carbon Gen8 |
Core-i7 10610U |
performance |
60579 |
LT |
ThinkPad X1 Carbon Gen8 |
Core-i7 10610U |
powersave |
43224 |
LT |
ThinkPad X1 Carbon Gen5 |
Core-i5 7200U |
performance |
47332 |
LT |
ThinkPad X1 Carbon Gen5 |
Core-i5 7200U |
powersave |
41236 |
DT |
Z400 Workstation |
Xeon W3565 |
performance |
43295 |
DT |
Z400 Workstation |
Xeon W3565 |
powersave |
28615 |
DT |
Desktop |
A10-7870K |
performance |
36220 |
DT |
Desktop |
A10-7870K |
powersave |
25168 |
SP |
Find X6 Pro |
SD 8 Gen2 |
|
56136 |
SP |
Find X2 Pro |
SD 865 |
ProGamer |
50809 |
SP |
Find X2 Pro |
SD 865 |
Default |
51355 |
SP |
Xperia XZ3 |
SD845 |
|
35482 |
SP |
R17Pro |
SD 710 |
|
30165 |
SP |
Axon7 |
SD 820 |
|
26147 |
コメント
- Ryzenはpowersaveでのクロック数落ち幅が少ない割にスコア落ち込みが大きい
- 最小は2.2GHz
- Core i5-13600Kは800MHzらしい
- Intelは伝統的にデスクトップは最小800MHzな気がする
- powersaveにしたときのモッサリ度合いは、Intelのpowersaveと同じ印象。周波数は全然違うのに
- ワッパ良いはずだけど、省電力苦手か?
- 最近のCPUはGovernorによる性能差は開く傾向のようだ
- むしろThinkPad X1 Carbon (Gen5)は非常に効果が小さい
- でも体感は少し違うので、数値上の差は小さくても体感には出るかも
- 10610Uはperformanceでもパッとしない印象だけど、スコアは高かった
- バッテリー消費は30〜40%違う
- performanceだとかなり激しく消費する印象
- Slim
360のpowersaveは体感的にもすごくもっさりもさもさだけど、スコアも非常に低い
- じゃあその分バッテリーマイレージが良いかというと、powersaveでYouTube見てるだけで4時間持たない
- ThinkPad X1 Carbon Gen5なら10時間は余裕
- 14インチと17インチの違いがあるとはいえ、あんま良くない
- Slim
360はSchedutilsで10〜20%くらいバッテリー持ちが悪い
- 性能差の割にはバッテリーへの影響は小さいが、もとが悪いので結構きつい
- Slim 360はどうしてこんなにバッテリー持ちが悪いのか
- Ryzenの問題かと思ったけれど、そうとも言い切れない
- 17インチでありながら38Whと13.3インチラップトップでも小さめというサイズ
- に加えて17インチという大画面でもある
- バッテリー分でマイレージが-30%、画面分で消費電力が+20%とすると、「実用4時間未満」というのもありえそうに思えてくる、か……?
- しかし、powersaveの節電効果が微妙という事実は残る
- P720の値はとても悪い
- シングルスレッド測定で、シングルスレッド性能は当時のi3などと比べてもだいぶ悪い
- ThinkPadと同程度なのは割と納得
- 合計20コア(40スレッド)あるため、マルチスレッドだと侮れない性能を持っている
- Governorとの性能差が小さいのは同時期のThinkPadと同じ傾向
- W3565はもっと差があるため、「この時期のIntelの」傾向と言えそう
- X2とX6の差が体感ほどはない
- 値が高くなってくると小さな値の差が大きな体感差になってくる印象
- にしてもX6は体感もっと爆速
- 実際、X2はベンチマーク中かくつく場面がいくつかあるけれど、X6は全くないため、スコア差がちょっと不思議
- X2はゲームしていてもやたらかくつくことがある。持病なのかもしれない
- X2とX6はフル性能を発揮するためにはゲームモードにする必要がある
- X6のほうはゲームモードでブラウザ起動できないため、X6は通常モードだけでの計測
- X2はなぜかゲームモードのほうが結果は悪い
- 基本的に体感にかなり近い結果になった
- 「A10デスクトップよりはZ400のほうが速いが、Z400〜P720までは体感あまり変わってない」はおよそ正しい
- Passmarkなどのベンチマークではほとんど同性能になってるA10とW3565にそれなりの差がある
- 実際、体感としては明らかにA10は遅い
- シングルスレッドでこれだけ性能差が出ると、A10は2コア4スレッド、W3565は4コア8スレッドなのでより差はあるはず
- このベンチマークが体感に近いのは、それだけウェブブラウザを使う頻度が高いためかもしれない
- AtomやVSCodeなど、webベースのアプリを使っている時間も長いので、体感に対して忠実なのか
- 非対話的な計算処理をやらせると、P720は非常に速い。けど、これは体感とはかけ離れている。体感的にはP720がZ400より快適かと言われると、「まぁ多少は…?」くらいのレベル
- 普段やっているテストは、「処理を走らせたらどれくらいの時間で終わるか」を測るためのもの。今回のは体感的な快適さと照らし合わせるためのもの。質が違う
- 5600Xと5950Xが同等なのは、シングルスレッドなら同じCPUだし……
- 5950Xのほうがビデオカードは高性能だけど、デスクトップ領域が4k
1枚分広いというのも影響していそう
- ただ、体感的には5600Xと5950Xで割と違いがある
(5600Xが妙に遅く感じられる) ため、しっくりこない
- 実際、YouTubeの画面表示などは割と違いが大きい
- 5600Xは体感的には「局所的に」遅い
- こういうスコア伸びなら、Ryzen7000は結構いいのかもしれない
- でも「schedutilで十分快適だと感じているからなぁ」というのが正直なところ
- CPU激しく使わない場合、必ずしもAMDのワッパがいいとは限らない気もする
(特にウェブブラウザばっかだと)
- むしろIntelを見直すことになったかも
- スマートフォンの性能進化がやばい
- Axon7は体感「もっさりが目立たなくなってきた」レベル
- R17ProはAxon7よりはスムーズに感じられる
- XZ3やFind X2 Proはモッサリ感がない
- Find X6は爆速
P-State調整
- 5600XでPState0からPState2へ変更
- powersaveで51865, performanceで80138
- 少しだけ上がった