Googleの本末転倒は続く

2022-08-24

GoogleがやっていることはGoogleだから正しいと思い込む人が多いが、結果を見れば体外は間違いである。

Google翻訳の実用性の低さは、ウェブをクロールして同時に出てくるワードという関連性から翻訳を行うという手法が間違っていることを示していると言えるのではないか。

Google Chromeの履歴検索は、文字列部分一致ですら見つけることができない(前方完全一致ならば出る)。これはYouTube上での検索も同様で、速度を重視したアルゴリズムが破綻していることを示しているのではないか。

そして、今回扱うのはYouTubeのスロットリングの話だ。

最近ウェブブラウザでYouTubeを観ている人は動画が再生できなくなったり、途切れたりするというのが気になっている人はいないだろうか。 というよりも、もはやブラウザでまともに再生できないと言っていいだろう。

「夏休みに入ってYouTube観ている人が多いから重いのかな」なんて思っているかもしれないが、実際はそうではない。 YouTubeがそのようにしているのである。

YouTubeにはダウンロードなどを防ぐため、ダウンロード速度を制限するスロットリングという機能がある。 これにより、ダウンロード速度が低下し、動画のダウンロードが間に合わなくなって動画の再生のほか、UIの読み込みなども停止する。

スロットリング時のダウンロード速度は50kb/s以下である。 YouTubeの1920x1080, 30FPSの動画のビットレートは4000kb/sあたりになるため、到底再生などできない。というよりも、スロットリング状態ではSD動画ですら再生できない。

この問題は以前からあり、マイナーブラウザなどではスロットリング対象となってまともに再生できないという問題があった。 これは、動画再生をffmpegやGstreamerを使った外部プログラムに頼っているものも含む。 だが、最近はブラウザ全体で優先度を落とし、積極的にスロットリング対象としている。そのため、FirefoxやGoogle ChromeでさえもYouTubeはまともに再生できなくなった。

これを本末転倒と言わずしてなんというのか。 GoogleはYouTubeという動画サイトを運営していながら、動画を再生できないようにしているのだ。

また、このスロットリング処理のために最近はYouTubeは極端に重くなった。 Ryzen5 5600Xのpowersave gonvernerだとサムネイルの表示(動画メニュー操作が可能になるまで)はものすごく待つことになるし、操作時、処理がおいつかず、クリックしたのと違うところがクリックされたことになってしまう。 powersaveでなければ良い、と思うかもしれないが、5600Xのpowersave governerは処理性能は決して低いとは言えず、Xeon Silver 4114よりもシングルスレッド性能は高いし、一般的なラップトップ用プロセッサよりも処理能力がある。 実際、Ryzen 7 5800Uにおいても同様の問題を生じる。

このような処理性能が不足し、クリックターゲットがずれる問題はTweetdeckでも発生するが、普通起きるようなことではない。 よほど処理がまずいから発生することだ。しかも、それを引き起こしているのが動画再生できなくするスロットリング処理のせいというのだからお笑い草。 仮にその「出来の悪さやひどい理由」がなかったとしても、Googleはすべてをwebで代替できると主張するが、OSのネイティブアプリケーションで、最新鋭の高性能CPUですらメニューを開くのに散々待たされ、挙句ポインターにフォーカスが追従しようなどということがあろうか。 もしあるとしたら、それはひどいどころの話ではないだろう。

YouTubeが勝手に再生した動画(ポインターに追従しないので、サムネイル再生が有効だと何になるかわからない)が履歴に入る」「再生した時間と全然違う再生時間が記録される」といった愚かな仕様や、「動画を再生すると勝手にチャンネル登録される(特定のチャンネルにおいて)」「ブロックしたチャンネルを復活させる」「定期的にブロックした動画の関連動画を出す」といった邪悪な仕様もある。 Microsoftは自社製品を購入した顧客のOSを広告スペースだと思っているようだが、Googleもまたユーザーのことなどまるで考えていないように思われる。

また、近年こうしたウェブのエクスペリエンスは悪化の一途なのだが、皆気にならないのだろうか。