MPlusから立て続けに2種類のフォントが出ていた。
まず、MPlusフォントはすごく複雑なので、前提の説明から。
昔から(2003年から)あるM+フォントは「OSDN版」と呼ばれており、フォント名称は「M+」である。 ボックスを大きく使う、当時流行のきざしが見えていたモダンゴシック体のType-1と、ゴシック体らしさをもつType-2からなる。
こちらはGoogleが支援しており、デザインの改良に力を注いでいる。 グリフや機能が多いOSDN版に対して、GitHub版はデザインに注力しているのだ。
GitHub版のフォント名は「Mplus」。 GitHubで “+” が使えない(GTK3もそのためにGTK+3から改名)ことと関係があるかもしれない。
で、このMPlus Type-2のアルファベットがめっちゃかわいい。 M+のほうでは1のほうが人気があって、M+2ってあまり人気がないのだけど、Mplusに関しては2のほうが良いのではないかと思う。 非常に読みやすいのもポイント。日本人に読みやすいサンセリフだと思う。
ただ、密度が高い。 最近は空間に余裕があるやや長体のフォントが人気だからそこは少し気になる。
そして最新なのが、Mplus Code。
M+にもM+ 1MNというコーディング向けモノスペースサンセリフがあったのだけど、あんまりきれいではなかったので人気がなかった。 コーディングフォントとしてはMigu 1Mのほうが圧倒的に人気だし、M+ 1MNよりは(M+ 1Mベースの)VLゴシックのほうが人気。
そこからすると、Mplus 1 Codeはなかなか良いフォントだと思う。見やすいし。 が、やっぱり横方向に密度が高い。
最近のモダンで人気のあるコーディングフォントと比べるとこんな感じ。
圧倒的に横方向の文字数が多い。Input Code Compressedと同じくらい。
やっぱり人気で実績のあるフォントはかなり見やすくてコードを把握しやすいので、すごいな、という感じ。 全体的な雰囲気は人気があるものは現代におけるオーソドックスなサンセリフベースのものが多いため、結構似通っている。
デザイン的にはMiguと比べて明らかにモダンな感じになっており、今だとMiguはちょっと時代遅れ感が出てしまっているが、普通に最近の感じになった。高さに余裕があるのもポイント。
なお、私が愛用しているHermit
Hermitは2013年誕生、2019年にメジャーバージョンアップで大きくモディファイされた。 このフォントほど正確にコードを書けるフォントは他にない。
Courier Prime Monoも長時間見続けても頭変にならないから良い。
和文デュアルスペースフォントでないとやだ、という人にはアリかな、と思うけど、Cica(Hack+DejaVu Sans Mono)や源ノ角 Code JP(Source Code Pro)という強力なライバルがいる今、Mplusを選ぶかというと……
とはいえ、和文デュアルスペースフォントはそこまで選択肢がないので、選択肢が増えたのは嬉しいという人はかなりいそう。