序
いつの間にかManjaroに入ってるプレイヤーが増えていたので、チェックした。
新たなプレイヤー
Guayadeque Music Player
Guayadeque Music Playerは Podcastのようなストリーミング、ラジオを重視したプレイヤー。GStreamerを使う。 C++で書かれ、UIはwxWidgetsを使っている。
現在再生中の曲のメタ情報からラジオを探したりする。 音楽再生という行為をネットワークに流されたり、流用されたりするのが嫌な人はやめといたほうが良いプレイヤー。 純粋な音楽再生をしたい人も向かない。
Lollypop
LollypopはGNOME向けの音楽プレイヤー。 UIもボタンも最低限しかない、いかにもGNOMEっぽいプレイヤー。
最低限の機能はあるが、他のプレイヤーと比べても非常に貧弱なプレイヤー。 個人的には「m3uプレイリストをちゃんと再生できない」のは辛い。
Strawberry Music Player
Strawberry Music PlayerはClementineのfork。
Clementineの開発が止まっているのでforkされたらしい。 ちなみに、Celementineの最終リリースは2016年。ただし、最終コミットは2ヶ月前で、開発が「止まって」はいない。 プルリクが44件も溜まってるので、きついのは確かかも。
違いはGitHubに書いてある
Qt5, Qt6に対応してあるという点が大きいかな(ClementineはQt4)。一方、Clementineのウリだったかなりの機能が未実装になっている。 これは、「Clementineサービスに依存しているものは別の実装がいるからdropしてるよ」とのこと。
音楽プレイヤーとしてや、将来性という点ではClementineよりも優れているけど、現状機能的にはClementineの方が優れている。
Clementineの「多彩な機能」を求めるかどうかによって評価が分かれそう
Goggles Music Manager
Goggles Music ManagerはiTunesっぽいコレクション管理系音楽プレイヤー。
UI的にはRhytemboxに似ているけど、それ以上にシンプル。UIがちょっと貧弱気味。多分Gtk+2?
古株プレイヤー
Amarok
めちゃくちゃ重いコレクション管理系のKDEのオーディオプレイヤー。
ストリーミング系の機能とか、iDevices系の機能とか、ものすごく高機能なんだけど、何気に死んでる機能も痛いところ。 アルバムアートの取得能力が高い。
Clementine
(まだ軽かった)Amarok 1.4からのforkで、コレクション管理系の音楽プレイヤー。
歌詞、アルバムアートに対応し、ネットワークストリーミング系にも強い。
ムードバー機能がいいよね。 コレクション系だけれど、数千曲ライブラリがあっても全然平気で重くならないのがポイント。
シャッフル再生の代わりに「ランダムプレイリスト」機能があり、全体からのシャッフル再生が可能。 また、ライブラリ全体が飛ばす曲がないような構成であるならば「スマートプレイリスト」も便利。
Rhytembox
RhytemboxはGNOME向け音楽プレイヤー。GStreamerを使う代表的なアプリ。
ぽっと見すごくシンプルだけど、プラグインを盛ればだいたいiTunesっぽい。
いかにもGNOMEでレス機能で操作性が悪い。純粋なコレクション系で、フォルダ再生は向かない。 大量のコレクションからほしいプレイリストをビルドする機能も特になかったと記憶している。
ただ、私はRhytembox使わないので……
使いにくさや、Sound Juicerなど連携するソフトウェアの残念さが目立っていた。
Audacious
WinAMPのクローンとして作られたX11AMPを改名したXMMSからフォークしたGTK+2なプレイヤーであるBMPからフォークしたプレイヤー。
シンプルで純粋なミュージックプレイヤーで、フォルダやプレイリストを再生するときには便利。 逆に、数千曲のライブラリを扱おうとすると非常にめんどくさい。
XMMS風(WinAMPスキン)のUIとQtのモダンなUIがあるけど、XMMS UIは色々不便なので、味気ないけどQtインターフェイスが色々モダン。
プラグイン機能があるため、案外機能的にもイケてる。検索するアルバムアートファイルを指定できるのもいい。
BMPx
もうひとつのBMPフォーク。
ちゃんとメンテナンスはされているんだけど、GStreamer 0.10を使う仕様なので、今やビルドも結構きつい。
死んだプレイヤー
Nightingale
iTunesライクなプレイヤー。
人気はあったと思うのだけど、最終更新は2016年で、完全に終了してしまっており、SSL certもメンテされていない。
XMMS
Gtk+ (2ですらない!!) のWinAMP風プレイヤー。
最終更新は2007年。ビルドは相当きつい。
ただ、その魂はしっかりとAudaciousに受け継がれているため、あまり惜しくない。
ポイント
- Clementineが今後どうなるのか、Strawberryへ移行すべきかどうかがポイント
- 2017年くらいまではNightingaleで粘っていた人もいると思うけど、さすがにもう移行しよう
- シンプルなプレイヤーはAudaciousの天下、コレクション系はAmarok/Clementine/Rhytemboxの三つ巴
- ほんとにシンプル(=機能がない)でいいと思うGNOMEユーザー(含Ubuntuユーザー)はLollypopもアリかも
- ほとんどのプレイヤーはGStreamerを使う。AmarokはPhonon経由でVLC(->ffmpeg)が使える
- VLC, mpv, SMPlayerなどのメディアプレイヤーを使えばffmpegバックエンドになる。でもオーディオプレイヤーとしての快適性は劣る
- VLCは最近、音飛びが発生したりしてあまり快適じゃない