Appleの新しいプロセッサ、M1とMac

2020-11-12

新しいMacBook ProはM1というApple製チップを搭載しているらしい。

アーキテクチャはaarch64。

同じaarch64であるSnapdragonやAプロセッサの性能から言って、Intelプロセッサとは性能の差が大きく、あまり現実的な話には思えなかった。

「Intelプロセッサの2.8倍の性能」と言っているのは、Appleお得意の営業トークで、根拠に乏しいようだ。 あるデータを切り取って見せているだけらしい。

しかし、AnandTechの記事を見ると、M1にかなりの性能がある、ということは事実のようだ。 最近は「AMDの躍進がすごい」と見えていたが、こうして見ると単純にIntelが足踏みしているだけに見える。

A14が3950X以上、5950X未満、という見方が正しいかどうかは疑問だ。 例えばこれが16コアのM1をMacProに投入する、という話ならば、最強のCPUがx86でなくなる、という可能性もある。 シングルスレッド性能が相当魅惑のものであることは事実だからだ。

しかし、M1は残念ながら4+4のビッグリトルであり、性能的には4コアにすぎない。 旧モデルの4コアCore i7比で速い、というのは事実だろうけれども。

ただし、アーキテクチャを変えるということは大変なことだ。 PowerPCからIntelに変わったときもなかなか大変だったが、今回はその程度の話にはなりそうにない。

ドライバ類が動かなくなり、大抵のソフトウェアは動かないだろう。 DockerもVirtualBoxも動かない。

そのようなシステムは開発環境として適切でない、という声が強い。 現在は開発環境のスタンダードとなりつつあるMacだが、それでもMacを採用するのだろうか。

そもそも、Macは最近任意のアプリを実行できないようにしつつある。 iOSとかと同じだが、Appleが承認したアプリをAppleのコントロール下で(Appleにお金を払って)配布することだけを許すという方向だ。 これにより、Macはもはやオープンソースソフトウェアを動作させるプラットフォームとして適切であるとは言い難い。

音楽制作者にとっても受難だろう。 DAWはともかく、プラグインの類はあまり開発が活発でないところも多いし、音楽制作環境としてのMacも終わってしまうかもしれない。

Appleとしては「iOSアプリが動く」というのがポイントだと考えているのだろうけど、信者を試すようだな、と感じている。